2026年8月17日・18日の2日間、dezanin代表の高橋雄一郎が、一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合が実施するスタディツアーに参加し、愛媛県四国中央市を訪問しました。今回のツアーには、人材、医療、金融、マーケティング、地域づくりなど、それぞれ異なる専門領域を持つ約10社の企業が参加。地域の産業や文化、自然、人に直接触れるとともに、四国中央市役所の各部署との意見交換を通して、地域課題と民間企業の知見を掛け合わせる可能性を探りました。


日本一の「紙のまち」に積み重なる、見えざる資産
四国中央市を歩いて強く感じたのは、この地域には「新しく何かを持ち込まなければならない」のではなく、すでに膨大な価値が存在しているということです。
紙産業を支えてきた技術と企業。手漉き和紙や水引など、長い時間をかけて受け継がれてきた文化。山々やみかん畑から望む風景。地域に根を張り、産業や暮らしを守り続けてきた人々。一つひとつは、地域にとっては日常の中にあるものかもしれません。しかし、その「当たり前」を異なる視点から見つめ直し、互いに結び直すことで、これまでとは違う価値や産業へ転換できる可能性があります。
今回の訪問では、協和紙工株式会社の工場、霧の森、多羅富來和紙、愛媛大学、愛媛県産業技術研究所などを訪問。紙の加工現場から伝統的なものづくり、研究・先端技術まで、日本一の「紙のまち」が持つ産業の厚みを体感しました。
地域課題の先に見えた「人の熱」
2日目には四国中央市役所を訪問し、複数の部署の皆様に向けて参加企業によるショートピッチと意見交換を実施しました。地域産業、山間地域、医療、人材、まちづくりなど、地方が直面している課題は決して一つではありません。一方で、今回私たちが強く感じたのは、課題の大きさ以上に、そこに向き合う「人の熱」でした。新しい提案をまず聞いてみる。外部の人間とも率直に意見を交わす。そして可能性があれば、一緒に考えてみる。地域の未来をつくるために本当に必要なのは、完成された答えを外から持ち込むことではありません。地域の内側にある知恵や資源と、外から入る異なる専門性が出会い、互いの強みを持ち寄りながら、小さくても具体的な行動を始めること。その接点から、新しい地域産業が生まれていくのだと改めて感じています。
THE LOCAL GORGEOUS®を、四国中央市でも
今回、dezaninからは、現在全国各地で展開を進めている地域事業「THE LOCAL GORGEOUS®」についてもご紹介しました。THE LOCAL GORGEOUS®が目指しているのは、豪華な設備や特別につくられた観光商品を提供することではありません。地域で暮らす人たちにとってはあまりにも日常的で、まだ価値として認識されていない食、風景、文化、仕事、人との時間。そうした「原寸大の地域」を丁寧に編集し、世界の人々がわざわざ訪れる理由へと変えていく取り組みです。今回の訪問後には、四国中央市の皆様からTHE LOCAL GORGEOUS®に対する非常に熱のこもったメッセージもいただきました。紙、ものづくり、食、山、風景、文化、そして人。四国中央市には、まだ世界に十分伝わっていない「見えざる資産」が数多く存在しています。私たちは、それを外から別のものへ変えてしまうのではなく、その土地が本来持っている価値を見つけ、磨き、結び直し、地域の誇りと経済の双方につながる事業として実装していきたいと考えています。
「視察」で終わらせず、次の事業へ
今回の2日間を、dezaninでは単なる視察や交流で終わらせるつもりはありません。地方に必要なのは、イベントを一度開催することでも、アイデアを提案して終わることでもなく、その土地に残り、地域の人たち自身が育て続けることのできる「事業」を生み出すことだと考えています。地域には、まだ名前のついていない価値があります。そして、その価値を誰と結び、誰に届け、どのような経済へ転換するのか。デザインには、その関係そのものを設計する役割があります。今回、この機会をつくり、地域と外部の企業を丁寧につないでくださった一般社団法人 熱意ある地方創生ベンチャー連合の篠永信一朗氏をはじめ、四国中央市の皆様、訪問先の皆様、参加企業の皆様に心より感謝申し上げます。
四国中央市にあるものから、まだここにない未来をつくる。
今回の出会いを具体的な共創と事業へつなげるため、dezaninは次の一歩を進めてまいります。


